犬を叱る必要があるのかということ
近年叱らずに褒めて伸ばそうというトレーニング方法がたくさん出てきていますが、私自身は褒めてしつけることを主体として、時と場合によって叱ることもあります。
私は基本的に叱るということをオススメしていません。その理由について5つの項目に分けてご説明します。
叱ることをお勧めしない理由5つ
叱る力強さが難しい
どんな叱り方であっても力強さは大切な要素です。
強すぎると極度に怖がり互いの関係の悪化につながり、弱すぎると余計に問題が強く出る可能性があります。
また、家族全員が同じ強さで叱ることは難しいため、多くの場合で夫婦でご主人の言うことは聞くが、奥さんの言うことは聞かないなどの問題が起こります。
適切なタイミングで叱らなければならない
犬は基本的に自分のした行動から約3秒以内に起こる出来事とを結びつけます。
例えば、”おすわり”をさせてすぐにおやつをあげることで、おすわりの形とおやつを結び付けて座ろうとするようになります。
ということを考慮すると、望ましくない行動(吠えや噛み)をした瞬間に叱らなければ効果が得られないということです。
また、叱ろうとしたタイミングで犬が望ましい行動をした時には、望ましい行動をしなくなったり、混乱を招くことになります。
少しずつ叱られることに慣れていく
基本的には同じように叱られ続けると徐々に慣れていきます。
最初は小さな叱り方で効いていたものが回数を追うごとに効かなくなり、叱り方を大きくする必要が出てきます。
毎回叱り続けなければならない
あまり良い例えではないのですが、人はギャンブルに病みつきになりますよね。
それは、時々報酬がもらえるという仕組みがもたらす影響です。
これは犬にも同じことが言えるのですが、犬の頭に物事を定着させたい時、いつ報酬がもらえるか分からない状況にしたほうが良いのです。
報酬とは良いことが与えられることはもちろんのこと、嫌なことがなくなるということも報酬と言えます。
時々叱られないという状況は行動を増幅させる可能性があります。
そのため、叱るべきタイミングでは毎回叱らなければならないのです。
叱ることだけでは正しい行動を教えることができない
例えば、吠えた時に叱ることで一時的に止まったとしても、それだけでは正解の行動を教えることができません。
望ましい行動を伝えることが出来なければ、再び吠え始めることがほとんどです。
愛犬の性格や状況をみて判断しましょう
冒頭でもお話ししたように、叱るだけが全てではありません。
褒めて伸ばすしつけは上記のような叱ることによるリスクもなく、初めて飼う方にもオススメです。
ただし、適切に叱ることが出来れば褒めて伸ばすよりも短期的に成果を出せることも事実です。
上記のリスクも考えながら対応をしましょう。