問題解決に近道はありません

20150908問題行動を直す際にはそれがどんな問題であれ、いかにその行動をさせないようにするかを考えて、起こりにくい環境を作らなければなりません。

トイレであれば、どうすれば失敗が減少し、成功が増えるのか、チャイムに吠えるのであればどうすれば吠えないようにできるのか、何か別の動作を教えることで解決できないかなどです。

このように、まずは問題を起こさないようにしなければいつまで経っても問題は改善されません。


今回の本題ですが、問題を解決する過程で近道はありません
多くの場合、問題とされる行動をわんちゃんがこれまでに幾度となく経験しているはずです。
そして、1回1回の経験が積み重なりひどくなっていくのです。

積み重ねによって大きくなった問題を短期間で直すのは難しいと言えます。
自分の習慣づいてしまった箸の持ち方を矯正するのには時間がかかるのと同じことです。
習得するには不器用ながらも何度も正しい持ち方をして慣れる必要がある。

大げさな表現かもしれませんが、これまでに100回トイレに失敗していたとすれば、今後150回成功に導くくらいの気持ちは必要だと私は思います。

叱るという対応は私も使わないわけではないですが、今ではほぼ使うことは無くなりました。
それは経験からどうしても扱いづらいことと、あくまで応急処置的なものでしかないと思ったからです。
力で抑えた対応では今後も力で抑えるしか方法がなく、その度にお互いに嫌な思いをするだけです。

また、応急処置はいずれ効果が悪くなることも多いです。
すると問題が再び表面化してしまうことになります。それでは何のためのしつけなのでしょう。

考えてみれば自分の成長も、子供の成長も少しずつの積み重ねであったはずです。
教科書を一通り読んで全て覚えられる人はほとんどいないですよね。

それは犬のしつけも同じだと私は思います。
時には後退するときだってあります。
今まで出来ていたのに出来なくなったというのはよくあること。

でも試行錯誤する中で互いの関係は築かれるものです。
思い返せば、初回レッスンの際には飼い主さんも愛犬もどこか暗い表情だったのが、問題が解決していく中で互いの表情も、飼い主さんの愛犬にかける言葉も穏やかになっていくのです。

どこか飼い主さんに余裕が感じられる。
それは素晴らしいことですね。

しつけをするためには多少なりとも心の余裕が必要だと思います。
時にはしつけが嫌になることもあるでしょう。
そんな時は無理にする必要はないと思いますし、感受性の高いわんちゃんが相手なのですぐに心の中を見破られてしまい、相手も警戒して上手くいかないでしょう。

時には休むことも大切なことです。
少し気持ちが吹っ切れたら再度始めるのです。
一歩一歩進めていきましょう。

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